当会では1990年より不妊去勢手術の普及啓蒙活動を続けてまいりましたが、この22年間で当会の紹介により不妊手術を受けた頭数は「不幸な犬猫をなくすネットワーク」全体で7万頭を超えました。これもひとえに協力動物病院のご協力の賜物であり、先生方には心より厚く感謝申し上げます。
最近では飼い主の手術に対する理解が進み、発足当時に比べると実施率もかなり上がってきました。また、当時は低料金で手術してくださる病院はごくわずかでしたが、近年の愛護団体の増加に伴い、現在ではネットワークを通さなくても、それらの団体の協力病院で手術ができるようになっています。自治体による啓蒙活動も広く行われており、そうした地道なご尽力もあってか、当会への手術申込みはここ数年で激減しました。全国的な手術実施率はまだとても十分とは言えませんが、低料金の病院紹介は珍しくなくなったため、草分けだった当会の役目は一まず終えたのではないかと考えるに至りました。
十年一昔と言いますが、二昔以上も前の時代を振り返ると、さまざまな思い出とともに胸に込み上げてくるものがあります。手術実施率の向上は大変喜ばしいものですが、20年以上前と比べてもあまり変わっていないと思うのは、飼育動物の苦痛やストレスに対する無理解と配慮のなさです。短い鎖でつながれっぱなしの犬、ゲージに閉じ込めっぱなしの猫、炎天下に置かれた犬小屋、不潔で狭い部屋にギュウギュウ詰めにしている多頭飼育等々……。しかし、日本ではこのような飼育状態は虐待であるという認識が非常に薄く、生きていることでよしとする自称愛護家さえ散見されます。
このような、手術だけでは解決できない問題に対しては、5freedomで紹介した「動物福祉」という概念が不可欠であると痛感していたため、このたび当会は「アニマルウェルフェア(動物福祉)推進ネットワーク」という名称を追加し、新たなスタートを切ることになりました。
不妊去勢手術の普及啓蒙はまだまだ手を抜ける状態ではなく、その必要性は依然として変わりませんので、手術紹介は従来どおり不幸な犬猫をなくすネットワークとして継続していきます。
手術以外の、犬猫などのペットに限らず動物全般を対象にした動物福祉に関する部分は、アニマルウェルフェア推進ネットワークとして扱い、主に海外の動物福祉理念とその実践例などを参考にしながら、私たち自身も学びつつ、日本に動物福祉という概念を根付かせたいと願っています。 動物福祉についてのコンテンツはこれから徐々にアップしていきたいと思いますが、まずは名称追加のお知らせをいたします。
当会の病院紹介エリアは東京・神奈川・埼玉(一部茨城、千葉含む)です。
「不幸な犬猫をなくすネットワーク千葉」とは別団体になります。千葉県内の動物病院ご紹介については、「他県の病院紹介について」をご参照ください。
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不幸な犬猫をなくすネットワーク
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