本文へスキップ

不妊去勢手術の動物病院紹介は……

城山公園内飼育動物の動物福祉に関する要望書

2019年2月25日
館山市都市計画課公園係 御中
アニマルウェルフェア推進ネットワーク
           代表 多田和恵
城山公園内飼育動物の動物福祉に関する要望書

時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

私たちは、動物福祉(アニマルウェルフェア)という概念を広く世の中に浸透させることを目的に活動している市民団体です。城山公園内にある動物園のニホンザルとキバタンが、将来の閉園までの間、狭い檻の中で無為と孤独に生きていることを知り、大変心を痛めております。長年、人間のためのごく軽い娯楽の犠牲になってきた動物たちの最後は、せめて彼らが本来暮らしていたであろう環境に近いものであってほしいと願ってやみません。

社会が豊かに成熟してくるにつれ、国民の動物に対する意識は変わっていきます。昔と違って大切にペットを飼う飼い主がふえており、動物虐待に対する社会の目も厳しくなりました。猫ブームや地域猫に象徴されるように、嫌悪や処分対象でしかなかった野良猫へのまなざしにも変化が見られています。 動物園の動物たちに対しても、ただ珍しい動物が息をしている姿が見られればいいという時代は過ぎ去りつつあり、狭く、冷たいコンクリートの中で生かされているだけの動物は見るに忍びない、行きたくないという声が散見されるようになりました。

実際、動物園の存在意義に対する見直しは世界的な潮流になりつつあります。少子化による来園者数の減少等により閉鎖される動物園も出てくる時代であり、動物園のエンディングのあり方はこれから注目を集めるものになると思われます。こうした中、これ以上動物を増やさないという館山市のご判断は正しいものであり、安堵しておりますが、同時に、動物園のエンディングのあり方としての見本となられることを切望する次第です。

現在、城山公園の現場の方々は、譲渡の検討を初め、エンリッチメントにも前向きであると伺っていますが、残念ながら、適切な環境であるとはまだ到底言えません。エンリッチメントは檻の大きさに依拠する部分が多いため、絶対的に檻自体を変える必要があります。また、ニホンザルについては、珍しい種ではないため、よりよい譲渡先が簡単に見つかるとは思えません。譲渡にこだわらず、速やかに檻の変更・改善に切り換えていただくことを強く求めます。費用の不足については、広く一般に寄付を呼びかけて補うことも一考に値すると考えます。

引退した競争馬や盲導犬が暮らす施設の存在は人の心に灯をともし、こうした施設がニュースに上ると、ネットには賛同と感謝のコメントがあふれます。長年利用してきた動物たちの老後を思いやるという点では、動物園もまったく同じ立場なのではないでしょうか。

仲間と引き離され、本来の生息地とはかけ離れた環境に長年閉じ込められてきた動物たちに、せめて最後は少しでも生きる喜びを感じさせてあげたいと願う声に真摯に耳を傾け、ぜひ動物福祉の改善に取り組んでいただきますよう、心よりお願い申し上げます。




ブログは現在準備中です