避妊手術自体は約20分〜40分程度です。
全身麻酔なので苦痛はありません。
縫合糸は大きく分けて、吸収糸と非吸収糸の2種類があり、吸収糸は合成のものと天然(絹糸など)のもの、非吸収糸は合成と金属製(ワイヤーなど)のものがある。
吸収糸は時間が経つと溶けて体内に吸収されるが、非吸収糸は残る。(非吸収糸は主に表皮の縫合などに用いられるが、後日抜糸が必要。また、外側で縫い合わせるため、糸を舐めて抜いてしまうこともある。エリザベスカラーなどをつける場合が多い)
縫合方法は主に、前述のように外側で縫い合わせる方法と、内側で吸収糸を使い縫い合わせる方法の2種類がある。 野良猫など、後日抜糸ができない場合には、後者の吸収糸を内部に使用して縫う「埋没法」が用いられることが多いが、アメリカなどでは外科用ホッチキスや外科用接着剤なども使われている。いずれを使用する場合でも、そのつど滅菌消毒されたものを使うことが基本。
手術時間は約10分〜20分程度です。 全身麻酔なので苦痛はありません。
犬〜陰嚢の少し上を切開し、精巣を取り出す。精巣茎を結紮し切断する。その後、皮下、皮膚の順に縫合する。
猫〜陰嚢を切開し、精巣を外に出す。精索を引きだし、切り離す。 猫の去勢の場合、一般に縫合は行わない。
通常、麻酔を行う前には、体温、体重、聴診、目、耳、口、腹部の触診などが行われますが、個体によっては、ボディチェックだけでは判断できない内臓疾患が隠れている場合があります。
肝臓や腎臓、心臓機能に異常があったり、脱水や貧血状態のまま麻酔をかけると、深くかかりすぎたり、合併症などを併発し、ごく稀ではありますが、死に至ることもあります。
血液検査やウイルス検査、尿検査、心電図、レントゲン検査等は、手術の安全性を高め、麻酔リスクの軽減や異常所見の発見に役立つため、飼い犬猫の手術については、ほとんどの動物病院が術前検査を強く勧めていますが(必須条件のところもあります)、当然、それなりにコストがかかりますし、慣れていない野良猫の場合は、検査をすること自体が困難です。
また、たとえそれらの検査上問題がなくても、麻酔に100%安全はありません。 外で生きて行かなくてはならない野良猫だからこそ、安全かつ慎重な手術が望まれますが、あくまでも、術前検査ができない野良猫の手術に関しては、過剰繁殖を抑えることを優先し、飼い犬猫については、飼い主の考え方や経済事情に合わせ、事前に術前検査の必要性などを獣医師と相談してください。